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桜花自動車の日常は素敵です。
整備、車検、販売、買取、磨き、どれにおいても最高の仕事を心がけております。
2024年はブログが更に充実するよう工夫を重ねていきます。

のぶちん整備日誌

「事情を酌む」W204 ベンツCクラス リアバンパー凹み簡易補修 のぶちん整備日誌4

世の中には 様々な事情があるもんです。
縦の糸があなたで 横の糸が私だったり
恋人がサンタクロースだったり
あいつはいつも飛んでるハエ男だったり
君たちキウイパパイヤマンゴーだったり

まぁ 色々あるじゃないですが。

あ、どうも 東洋一のモジャモジャ頭 整備士のぶちんです。
もじゃもじゃは地毛です。

うちの社長はアフロヘアなんですが
アフロにするのに ¥38000円 かけてるらしいです。

ワタシも負けないくらい モジャモジャなので
給料に追加で モジャモジャ手当をおくれといったら
遠い目をされました。

それはさておき 「事情」です。

今回の事情は コレ

バキッと一発 縁石とフレンチ・キスでしょうか。

いいところに当たりました。牽引フックの取り付け場所。
固いところだったもんで車体にはノーダメージ。
でもバンパーフェイスが エライ事に。凹みがエグい・・・

ついでに左右の取り付けも歪んでしまって 今にも全部外れちゃいそうな 感じ。
きっちり直すのが最良の選択なのですが
①車はそろそろ買い替えるかどうしようか考えていた
②車検は去年の夏に取ったばかりだから まだもったいない
③でも次の車検までにはやっぱり買い替えたい
④買い替える車は 当社で購入して頂ける
⑤という事で 外れちゃいそうなのを うまいことやって
⑥凹んだところも うまいことなんとかならないか
というご相談

むぅぅ。④は捨てがたい・・・

となればやりますよ 「簡易補修!!」
必殺技の連続になりますよー 刮目せよ!!

凹んだ箇所を裏側から。
意外と入ってるな・・・・・

車体に付けたまま ぽこーんと引っ張り出そうかなーと思ったけど
よく見れば下側補強の突っ張り棒の部分が ポッキリと・・・

うーん
ううむむー

(このままやってもいいんだけどなー)
(工具や道具が振れなかったりしたらやだしなー)
(あとやっぱ 最終的に見た感じがなー)

以上 心の声。

一旦車体から外します。

外れました。

というと簡単そうだけど 結構苦労してるんですよ。
実は一か所 専用工具じゃにと外せない箇所があります。
うしし わたし持ってるんですよ その工具 ふふふ。

では裏返して状況確認。

おぉー。結構エグく入ってますね。
牽引フックの部分なので奥側が固いので バンパーの損傷がキツいです。

あちゃー。こっちも思った以上にポッキリと。
これもしっかり直して強度を出しておかないとブラブラしてイカンです。
という訳で 作業開始!!

ぼっこりヘコミは コイツを使います。
「ヒートガン」とかいう物で 超あっついドライヤーみたいなモンです。
コイツで樹脂を炙って柔らかくして 元の状態にもどそうという魂胆です。
専門的には「熱可逆性(ねつかぎゃくせい)」という現象を利用しています。

炙ること約10分。
あんまり柔らかくしちゃうと ふにゃふにゃになってしまい 波打ってしますので 頃合いを見計らいつつ 裏から押すと

そりゃっ!

 

ぽこーんと 出てきました!

見たか! ゴットハンド!
くらえ! ゴールドフィンガー!

ちょっと波打ってますので さらにその辺をピンポイントで炙って 見た感じをよくします。

竿の部分も ヒートガンで炙って元の位置に戻しまして ホットステープラーという部材を使って 補強しつつ 固定します。
これ 結構ガッチリ固定できるんですよ。
難点は 施術の跡が このようにガビガビになってしまうので 裏側からとか 見えない部分にしか使えません。
それと この残ったヒゲみたいなのですが ニッパーで切るのはいいんですが
ちょっと飛び出してしまうんですよね。
使ったことある方ならわかるでしょう。

ところがですね そのヒゲみたいなの 残さない方法 あるんですよ。
手前のやつがその跡なんですが ヒゲ 出てないでしょ。
ううふふふ これも必殺技ですね。

ワタクシのこの必殺技を使えば まー ミテクレを気にしないんであれば 表側でも施術可能です。バリはちょっと研いで タッチペンとかでいいなら。

たまに裏側からはどうしても器具がはいらなくて出来ないことがあるので その場合には有効です。跡が丸見えですけど。

さぁ そんなんで一旦車体に組み付けてみましょう。

割れて欠けちゃったカバーは簡易的に固定しましたが

十分な仕上がりじゃないですか?

事情がありますし 高望みはしないという事でお願いしました。

今回のように 外装などは板金修理などできっちり直さなくても 機能的に問題ない程度で ヨシとしていただけるなら こういう方法もアリですね。

特に変な風に首の皮一枚でギリギリ車体についている状態は 危ないです。
衝撃で 本当に外れちゃったりとかしたら 車も損害ですし 人などを巻き込んだら大変です。

まー 今回は 事情がありますし。

同じように マフラー等も 耐久性を考慮すると 腐食したら交換が望ましいのですが
溶接等で補修する場合あります。

ワタクシ 溶接 得意です。

いいずれその必殺技も披露いたしましょう。


<後日談>
欠損していた牽引フックのカバーは未塗装で部品供給があり 塗装して交換することになりました。只今のところは塗装準備中。
穴が塞がれば 簡易修理としてはけっこう完成度が高まるでしょう。